The Cove

一部分を切り取って主張されても。

アカデミーで、日本のイルカ漁を扱った『The Cove』がドキュメンタリー賞をとりました。マイケルムーア風の突撃取材、盗撮などで、和歌山県で行ってるイルカ漁をセンセーショナルに表現してます。
・・・ってイルカ肉なんてあるんだ!っていうレベルです。
日本で食用してたっていうのをまず知らなんだ。


「可愛い(魚の中でも高等動物の)イルカを殺すなんてもってのほか」っていうメッセージ性の強いドキュメンタリーらしいのだけど、んじゃ、鹿や羊やカンガルーや犬は殺してもいいんかい、そもそも人間が食すために生まれさせる牛や鶏はなんでOKなん?生き物を殺して食用にするのが可哀想というのならば、毛皮はどう?植物だって生き物だけど・・・とキリのない迷宮になってしまいます。


国民性や習慣の違いをどうこういうと難しいことになるけど、そういう前提を取り払ってただその一部分を切り取って感情的な映画にしちゃうと、なんか「カワイソウ!」な気がしてきちゃうんだろうなぁ。イルカ漁はやめて、じゃあシャケにしよっか?っていったらシャケは可哀想じゃないの?差別!な感じがしちゃう。


赤く染まった入江。
じゃあ釣りならいいのか?
狩猟はいいのか?
さらにトサツ場はもっと陰惨なのでは。


難しい問題です。